今でもあなたはわたしの光

伯母が突然いなくなり、1週間が過ぎました。

今でもちょっと、信じられていないです。


この人に関する面白い話はたくさんある。

中学生くらいのころ、甲子園球場に連れて

行ってもらったことがありました。

阪神タイガースの応援で、初めての外野席。

しかも相手はジャイアンツ。当然、周囲は

とんでもなくにぎやかです。

元木選手がバッターボックスに立ったときに、

どこからか

「元木、ウエノミヤに帰れ~!」

と大声が聞こえてすごい怖くなった。

世の中、こういう場所ってほんまにあるんや。


ところが、伯母はいつの間にか近くにいる

知らないおっちゃんと仲良くなって、

「やったあ、ビールもろた~!」

と嬉しそうにしていたのでした。

最終的に阪神が巨人に何点で負けたとか

そういうことは覚えていません。が、

元木選手が野次られていたことと、

伯母が知らない人からビールをごちそうに

なっていたことだけは覚えているのでした。


何年も経って、自分の結婚式の日のこと。

その日は朝から大忙し。ヘアメイクだの

着付けだのを式場で流れ作業のように

させられて、汗だくになっていたところに

プランナーの人が飛び込んできました。

「あの、伯母の○○さまからの連絡があり・・・

さきほど、伯母様が・・・」

と言葉を濁しながら言ってくるではないか。

まさか、事故!?


ところが、プランナーさんは

「・・・着るつもりだった留袖の帯を、

お忘れになったのことです」

と言われて。

その場の全員でコケました。

「式場に予備があるのでお貸しします」

と有難いお申し出もあり、伯母は留袖で

式に参加してくれたのでした。


ホスピタリティに溢れた人でした。

しんどいことも平気な顔でこなせる人。

幼児の頃、兄と二人で泊まりに行ったとき

朝食でメロンを食べるところを

「あんたら二人は食べないんやったね」と、

当時好きだったデラウェアを、わたしら二人

だけに出してくれた。

5年前に100才で亡くなった祖母を、最後まで

面倒見てくれていたのはこの人です。

亡くなったときに祖母に持たせた御朱印帳も、

伯母が集めたものでした。


先週、祖母と同じ会館で葬儀をしました。

伯母が好きだったビールと、好きだった

ドン・キホーテのおつまみ、

愛用していた卓球のウエアやラケットなど

たくさん持って行ってもらいましたよ。


わたしにも姪がいます。

いつかこの子らにも、楽しく思い出して

もらいたいなあと思っています。

Speakeasy

スピークイージー=もぐり酒場、隠れ家カフェ の意。 入るときの合言葉はいらないけれど、極力リンクを貼らない、宣伝しない 来たいかただけどうぞ という場所。

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