拝啓、十五の君へ

息子が明日、中学校を卒業します。


ここ数日、さみしいなあ、仲良かった人とは

また会いたいなあ と言っていた人。

じゃあさ、自分のLINEの番号を紙に

書いて渡したら?と提案すると

「手紙を書くよ」

と言い出しました。それは、いいねえ。


母は彼のLINE番号をQRコードにして

紙に印刷、息子が手紙にしたためて

仲良しの数人に渡す作戦です。


うちの息子は自閉症のなかでも、

アスペルガー色の強い人で。ほかの人の

気持ちを推し量るのが難しい。

先週、学校から持ち帰ってきたもののなかに

『道徳ノート』がありました。

「このときの相手の気持ちはどんなもの

だったかを想像して書いてみよう」

といった問いに

「特になし」

と書いていて。先生から赤ペンで

「絶対ある!」

と一言書かれていた。そのくらいです。

(コメントの先生・・・あるのは確かなので

すが、もう少し彼の気持ちを導くように諭して

くださればなあ、とこれ見て思った)

そんな彼が「手紙を書く」と言い出すなんて、

どういう心境の変化なのだろう。


ただこの人、油断すると

誤解されそうなことを書きそうになる。

『えーっと・・・〇〇さんへ。

あなたはNGワード連発してばかりいて

とっても楽しかったよ・・・』

などと言いながら書こうとしていたので、

そこは訂正させました。

あんたがNGワード言うてどないするねん。


そんなこんなで、今日は4通の手紙を

持って学校に向かいましたよ。

喜んでくれるといいね。


中学3年間は彼にとって、想像以上に

しんどい日々でした。式前日の今日も

しんどそうな顔で帰宅しました。

母もずっとしんどかった。何度も

「もう行くのやめとき!」

と言おうとして、寸前でとどまりました。

わたしは息子じゃない、

学校に行っているのは息子で、自分では

ない。親の意思で登校拒否させてはいけない

・・・そう言い聞かせてばかりいました。


結局、彼はしんどいしんどい言いながらも

あまり休むことなく3年通い続けました。

人数は少なかったけれど、仲の良い友達が

いたから だそうです。

息子の中学生活は、ひとえに、その人たちの

おかげで続けられたんですよね。ありがたい。






Speakeasy

スピークイージー=もぐり酒場、隠れ家カフェ の意。 入るときの合言葉はいらないけれど、極力リンクを貼らない、宣伝しない 来たいかただけどうぞ という場所。

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