百聞は一聞に繋がる、かも

うちの子どもは自閉症スペクトラム症です。

たくさんしゃべるタイプ。独り言が多い。

困ったところは、あれやこれやと

口をついて言葉になって出すぎて

真実がなかなか言葉として出てこない

ところです。


困ったときは、ドラえもんが

ピンチになったときと同じ具合になる。

ポケットからヤカンやジョウロやら

関係ないものがたくさん出てくる

あんな具合。

「そんなにたくさん言っても、

いったい何が本心なのよっ!」

とこちらが言ってしまうと終わり。

パニックを起こして余計に

混乱させるだけです。


そんな息子が唯一本当のことを

ポツリと言えるのが、月1回通っている、

カウンセリングの部屋。

1時間ほど、専門の先生が話を聴いて

くれる。

最初の45分くらいは、ごっちゃごちゃに

いろんなことを話していて、

先生はひたすら”聴く”に徹する。

あー、それはしんどかったねえ。

そうなんだ、大変でしたね~・・・など

相槌のバージョンはたくさんあるけれど

そこから「こうしたらどうでしょう」

みたいな提案は、いつも少な目です。


ところが最後のほうに

「こういうときは、こういう事情があって

これこれ、こんなことで、

だから頭がバグってしまった」

といったような”真実”が

本人の口から出てくるのです。

45分、ヤカンやジョーロを出し続けないと、

本当に出したかった道具が出せない

異次元ポケット・・・

頭の中、宇宙やん。


昔出席した自閉症セミナーで

こんな話を聴いたことがあります。

「当事者(成人)の○○さんが、

メールを送ってきたんやけど

言葉がめいっぱい並んでいて、

『???』となった。

何十行も続いて、バース掛布岡田と

阪神の選手まで出てきたあとで

たった一行だけ

『パソコンが壊れました』

と書いてあって。あー、これや

この人が言いたかったのは!!と

思った。

おかげでパソコンを直しに行けた。」


親だからでしょうか、母は

最短ルートで真実を教えて欲しいなあと

つい、思ってしまうのです。

仕方ないからカウンセリングに通って

ちょっとでも息子の本当のところを

探ろうとしているのでした。

Speakeasy

スピークイージー=もぐり酒場、隠れ家カフェ の意。 入るときの合言葉はいらないけれど、極力リンクを貼らない、宣伝しない 来たいかただけどうぞ という場所。

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